「ペットフレンドリー」、要は「ペット可」のアパート、これがジャカルタには非常に少ない。オーナーの許可を得て飼っている人もいるが、アパートとしては「禁止」にしている所がほとんどだ。「ペット可」の数少ないアパートの一つが、南ジャカルタ・クニンガンの「ヴェルデ」(Verde)。部屋探しをしているDさんと一緒に、部屋を見に行って来た。
まずは新しい「Verde 2」の方から。非常に家賃の高いアパートなのだが、ロビーは狭くて高級感もなく、「あれ?」。さらに、目の前で、もう一棟が建設中だ。これはかなり、工事音がうるさいのではないだろうか。
まずは人気の角部屋へ。工事現場とは反対側になる。窓を取り囲むようにして広いベランダがある。驚いたのは、下に広がる「林」。まだ開発されていない「奇跡の緑地帯」が残されているのだ。バナナやパパイヤの混じった林が広がり、「畑」というよりは「林」。枝から枝へ、鳥が飛んでいるのも見える。
私がジャカルタへ来て最初に住んだのは、この向かいに立つタマン・ラスナだった。当時、周囲に建物は何もなく、下には一面のバナナ畑が広がっていた。風に揺れ、雨を受けているバナナ畑の眺めには、随分慰められたものだ。開発されて完全になくなってしまったと思っていたが、ここに残っていた! ジャカルタ都心にあって値千金の眺めが楽しめる。
次の部屋は残念ながら「工事現場ビュー」だった。それも、かなり近い。防音ガラスのお陰で、窓を閉めてしまえば、工事音は思ったほど聞こえない。ただ、カーテンはずっと閉めておく必要があるだろう。マニュアルな工事現場や進捗状況が見られて興味深いが、あまり興味のない人にとっては残念な眺めだ。
次に、最上階に近い角部屋へ。ここまで来ると、工事現場も、他のビルやアパートも、下に広がるカンプンも、全てが、はるか下になる。例のバナナ畑もはるか下の方に、ちょっと見えるだけだ。遮られずに採光できて、明るい部屋だ。しかし、私にとっては高すぎて、ベランダに出ると足がすくんでしまう。
アパートのファシリティーとしては、バーベキューもできる最上階のラウンジのほか、ミニ・シアター、シガールーム、ビジネスセンターなど、特に男性向けの「ちょっと集まれる場所」がいろいろあるものの、あまり使うことはなさそうだ。残念だったのは、「ペット可」なのは部屋内と、狭いドッグランの場所だけだということ。ロビーやそのほかの場所で、自由に連れて歩けるわけではないのだ。
次に、古い方の「Verde 1」へ。一棟はロビーもオープンエアという開放的なつくりで、緑もいっぱいだ。部屋は、最初に網戸があって、その奥に扉がある二重扉で、これはペットを飼うにはありがたい構造。見に行った部屋の隣では、黒ねこと白ねこの2匹が網戸の前で鳴いていた。おおっぴらに飼える、こういう風景を見たかった!
しかし、部屋そのものは「ザ・古いアパート」。レインシャワーや古い趣味の家具などに時代を感じた。良い点は、こちらの「Verde 1」だと完全にペットフリー。エレベーターホールで、犬を連れた人を何人も見かけた。どの犬も幸せそうで、「お散歩、行くぞ」と勇んで外へ向かって行った。
ジャカルタにペット可のアパートが増えてほしいものだ。
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