針で穴を開ける[チョンプロガン] [100枚のバティック(29)]
「バシバシバシバシ……」、工房の隅でリズミカルな音が響いている。全面に茶色の蝋がべったり付いた、ずっしり重い布に、針で穴を開けているのだ。本当に、実際に、布に穴を開けている。布を透かして見ると、小さいとは言えぽっかりと穴が開き、向こう側が […]
ねことバティック Cats and Batik
「バシバシバシバシ……」、工房の隅でリズミカルな音が響いている。全面に茶色の蝋がべったり付いた、ずっしり重い布に、針で穴を開けているのだ。本当に、実際に、布に穴を開けている。布を透かして見ると、小さいとは言えぽっかりと穴が開き、向こう側が […]
「ねこの絵」3枚を額装した。ジャカルタの額屋さんでは、好きな額縁や台紙を選べ、その絵専用の額として、裏側も留めてしまう。入れ替えはしない。かさばる額が増えていく……というのは悩みではあるのだが、額装しないと飾れない絵はあるので、厳選して額 […]
ジャカルタで一緒に暮らすようになったねこたちのこと、同じようにねこと暮らしている人たちのことを書いていきます。「こんなストーリーがあるよ!」という方は、是非教えてください。(メール:info@batikucing.com) フレディ物語(ま […]
「ものすごく格好いいバティックだな」という第一印象だった。きりっとした紺白で「卍」がはっきりと浮き立ち、その周りには黒茶紺の複雑な模様が沈んでいる。 これは「箱卍(Banji Tepak)」という名のチレボン伝統文様。「Banji」は「 […]
フレディがうちに来て2カ月ほど経ったころ、賀集由美子さんがチレボンから来訪した。正確に言うと、私がチレボンへ行って一泊し、二人で一緒に戻って来たのだ。フレディは興奮して、激しい勢いで駆け回る。危ないぐらいのハイテンションで、手を付けられな […]
朝が来た。子ねこがいる、というのがまだ信じられない気持ちだ。フレディは朝ごはんを食べてから元気に遊んでいたが、突然、部屋の隅で激しく鳴いた。普通ではない鳴き方で、あわてて駆け付けてみると、粗相をしていた。まだ赤ちゃんだし、初めての家だし、 […]
水曜はコロッケパーティーの日。約束の午後4時を目指して、コロッケが揚がり始める。そのころ、ケージに入れられたフレディはプトリの車に乗って、5日間過ごした家を出発した。ケージの中で、大きいごはん皿を抱えるようにして、懸命にごはんを食べている […]
水曜のコロッケパーティーまでの間に、プトリから2本の動画が来た。最初の動画はわずか4秒。拾われた日に撮られた物で、これが動いている子ねこを見た最初だった。段ボール箱の中から庭の様子をうかがっている黒い子ねこ。「ハロー、チュッチュッチュッ( […]
始まりは、2月のある土曜日。インドネシア人の親友のプトリから、WA(ホワッツアップ)がポン、ポン、ポン、と来た。 Hanako sanMau kucing kecil?Untuk di apartemen?はなこさん子ねこいる?アパートで […]
バティックの布を買った場合、「服に仕立てる」という人が一番多いだろう。バティックとは元々、身に着けるものだ。しかし、一枚の布を腰に巻くのが伝統的なスタイル。柄や配置はそれに合わせてあるので、普通のテキスタイルとは違う。布のどこをどう使うか […]
インドラマユのバティック職人、アアットさんの家を初めて訪ねた時のこと。窓に掛かっている手作りのカーテンに目を奪われた。大小の魚やタツノオトシゴ、クラゲが楽しそうに海の中を泳いでいる。間にはサンゴ、波模様、ヒトデ? どの魚も表情豊かで生き生 […]
インドラマユを代表するモチーフというと「イワック・エトン」(Iwak Etong)。「これがかわいいと思えるようになったらバティック上級者」と冗談を言っていた人もいるぐらいで。 一番最初に目に付くのは伊勢エビのような大エビ。これがとても […]
ピザの一片のような形をした茶色や黒色の三角形が、布全体を埋め尽くしている。うまく、たくさん、はまるように、三角形は大きかったり小さかったり、細かったり、中には四角だったり丸っこかったり。不揃いな形で、ぎっしりと配置されている。 「このモ […]
インドラマユはマンゴーの街。インドラマユ市内には、ジャカルタの「歓迎の塔」のような場所に「マンゴー・モニュメント」が立っている。 ジャワ島のほかの平地とそんなに気候は変わらなく感じるのに、なぜだろうか、マンゴーがよく採れる。ジャカルタか […]
出会ってしまった、不思議なバティック。バティックはどれも一期一会なのだが、これはその中でも群を抜く「一期一会」だ。 チレボンのカトゥラ工房には、戸棚で三方を囲まれた小さな部屋がある。戸棚に詰まったバティックを取り出しては、広げる。どんど […]