友人のもっさんに「華子さんにぴったりの本を見付けた」と、誕生日プレゼントにいただいた。中を見てあまりにも驚いたので、ご紹介。
見開きのタイトルページは夜の街。たくさんの車が走っており、まぶしい街灯が白や黄色のにじんだ光の円を作る。フェンスの上を歩く1匹のねこ。この光景だけで、心をわしづかみにされる。

そして、本文の1ページ目に出て来るねこのアップ、「これ、バティックじゃない?」と、もっさん。黒ねこの頭や体や尻尾に模様がコラージュされており、それによって黒ねこの陰影や毛並みを表現している。それがバティック模様に似ているのだ。バティックではないのだろうが、「バティックに見える」という偶然がうれしい。

米ニューヨーク・ハーレムで撮影した写真に、インクとガッシュ(不透明水彩)、コラージュを組み合わせてある。これが非常に面白くて、リアルな街並みなのだが、どこか幻想的で、その中をさすらう黒ねこが私たちの心象風景を表しているようだ。「あなたの居場所はどこ?」と問われ続ける黒ねこ、その答えは「さすらう所、どこでも(Anywhere I roam)」。しみじみと深い。
こんな珍しい本を一体どこで入手したのか。本には「British International School – Primary School Library」と「Discarded」というスタンプが押されているので、ジャカルタのブリティッシュ・インターナショナル・スクール図書館の蔵書だった物が、かなり年季が入っていることから廃棄されて古本に回ったのだろう。本は旅する。米国で出版された本がジャカルタへ送られて、多くの子供たちの手に取られた後、もっさんの手を経て私の元へ。
この本を見たインドネシア人の友人たちが「インドネシア版を作れるんじゃない? ジャカルタの街の写真を撮ってさ……ねこの絵は、だれが描けるかな?」などと話していた。「ジャカルタの街をさすらう黒ねこの絵本」が出来たら是非、欲しい。黒ねこは私(私たち)だから。

ねこ度(5が最高)
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ねこ好きへのお薦め(同)
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ねこコメント
どんなに小さくても、たとえシルエットだけでも、様になる黒ねこ。ページをめくればめくるほど、主人公が黒ねこである必然性がわかります。黒ねこ好きにはたまりません。そして、街を自由に飛び回るねこに「うちのねこ」の姿を重ね合わせて空想したり。
Christopher Myers, “Black Cat” (Scholastic Press, 1999)
もっさんからのプレゼント
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