ここからは、写真や現物のバティックを見せながらの説明になりました。(セミナー写真・竹下香奈恵さん、セミナー以外の写真と写真説明・池田華子)
産地はさっき説明しましたけれども、ちょっとね、面白いのを。これ、イナクラフトで(見付けました)。ジャカルタ柄。バジャイとか。あと何だろうね、これは。いろいろ面白かったんで。きれいです。(ここに)モナス。
ただ、ジャカルタで作ったかどうか、っていうのは、ちょっとわかんないですけど、(ジャカルタで)デザインして、どっかで(制作した)? でも、面白いんですよ。ほら、下にビルが。日本語のできるすごいセンスのいいお姉ちゃんがいてね。
これがインドラマユですね。生命樹。「Kayu Gorda」。すごい面白い模様でしょう。で、魚みたいなのがいるんですよ。海の魚。
色をちょっと説明すると、最初に、濃紺。この茶色が二度目ですね。二回染め。ここ(茶色以外の部分)を全部伏せて、ブロックして。この最後の部分(茶色)だけ開けて染めてるっていう。チレボンではソガン(sogan)っていう名前のプロセスなんですけど。すごくいい柄ですよね。
これは、私とインドラマユの職人さんが一緒に作った海柄。一応、ペンギンもここにいます。
(かわいい)
これはチレボンの王宮模様。カトゥラ、っていう私の師匠のバティックですね。王宮模様の特徴っていうのは、こういうクリームのベースの上に、黄土色と茶色みたいな(色合いです)。
これがチレボンの王宮柄。ただ、チレボンの王宮の場合は、ジョグジャ・ソロみたいに「禁制紋」っていうのはなくって、みんなどうぞ自由にお使いください、みたいな、そういう、アッパーな感じですね。
これもカトゥラさんですね。私の師匠が作った、ガングン(Ganggeng)っていう、海草模様。
海草は、(バティック産地の)「北岸」でさっき説明しましたけど、プカロンガンもあり、タシックもあり、マドゥラもあり、みたいな。
これですね、このギザギザ(が、海草)。この中に、いろんな模様が入っているっていう。これ、ちょっと、うちの師匠に、無理矢理、ペンギンを。
(笑)
ここ、この部分(ペンギン)だけ、私が描いて、渡して、入れてもらった、っていう……ほんと、失礼ですよね、すごい、人間国宝みたいな人なんですけど。やりたい放題。
(笑)
まぁでも、そういうのも可能なのが、バティック。例えば日本の友禅の作家さんの所へ行って「すいません、このペンギン入れてください」とか、無理だけど、それができる緩さがバティックの面白さ。言えば何でも描いてくれる。
(爆笑)
これが、そのカトゥラさんですね。
(へえー)
数年前、体調壊されたんだけど、最近はすごいお元気で。カトゥラさんの描くメガムンドゥンは、ちょっと、やっぱり、普通のメガムンドゥンとは違います。
(へえー)
これがさっき言った、蝋の型押しの型ですね。これはインドラマユの工房なんですけれども。
型押しバティックもいろいろあって、多色の物とか。これは、ガルットって所で作られている。多分、一番よく出回っている単色の物。7万(ルピア)とかそのぐらいで、タナアバンとかその辺で、あるんじゃないかな。コンビネーションで、いろいろ合わせて作ったりとか。ただ、生地はね、すごい粗い生地で、2メートルぐらいの物です。
これもまぁ、インドラマユの型押しなんですけど、型押しに見えないんですよ。まぁ、こういう色分けも可能です。
それで、型押しの色分けなんですけど、ちょっといいですか、すみません。これ、風呂敷なんですが。これは単色に、ここの蝋をちょっと崩して、色を掛けたっていう物なんですけども。これはインドラマユで(型を)押してもらって、デザインは私。まぁ、こんな感じで。
それを色分けすると、これですね。
(かわいいねー)
これとこれ。池田さんが持ってるやつ(①)と私が持ってるやつ(②)。同じ色分けなんですけど、こっち(②)の方が高い。
これ全部、ブロックするから。最初に水色を染めて、その後に、ここ(水色部分)をぜーんぶ伏せるんですよ。これ(①)は、パーツ的に(薄い色の部分のみ)、伏せてる。蝋もいっぱい使うし、作業的にも、ものすごい時間がかかるっていうのが、こっち(②の方)。
型押しもアプローチの仕方ってすごくいろいろあるんで……これなんかもそうですよね。これはパギソレなんですけど、ここ(右上の部分)なんかは楽なんですよ。ベースを薄くするよりは楽ですよね。ここ(薄い部分)をポイント的に伏せて。
同じ柄でも全然、その作業の速さとか、この場合は蝋の量とかもね、いろいろ関係してくるんで、やっぱり値段も変わってきます。
あと、これは昔、私が絵を描いたのをカトゥラさんが作ってくれたんですけど。
(すてきー)
面白いですよね、あの人(カトゥラさん)。(つづく)