手描きバティックに使う生地は木綿が中心です。ブランドも等級もいろいろあります。(写真と写真説明・池田華子)
さっき、ガンバール(Gambar)、つまりデザインの話をしました。デザイン画っていうのは、紙に描いたりするんですが、これは「アルシップ」(Arsip)というか、保存用。うち(の工房)、蝋で布に描いちゃってたんで。こういう状態です。これをトレースします。
こういうデザインが元々あれば、もういきなりトレースから入るけど、例えば、注文して、新たに柄を起こしたりする場合は、そこにも工賃っていうか料金が発生します。まぁ、ケースバイケースでね、すごい、いろいろなんで、「こうだ」とは言えないんですけども。
あと、これは、ちょっと繰り返しになります。すみません、あっちこっち行っちゃって。
さっき「プリミシマ」で説明しましたけど、これが見本ですね。これ、プリミシマ。
「GKBI」(Gabungan Koperasi Batik Indonesia=インドネシア・バティック協同組合)グループ、って言って、インドネシアのいろいろな地域で織物とかを作っています。プカロンガンのすぐそばなんですけど、中部ジャワのバタン(Batang、県)という町に大きな工場があって、そこで織ってます。
これはえっとね、「チャップ・ティガ・ブンデラ」(Cap Tiga Bendera=「3つの旗」という意味)って言って、商標ですね、「チャップ・ティガ・ブンデラ」っていうのは。そのほかにも、これは多分そうだと思うんですけど「ガムラン・スリンピ」(Gamelan Serimpi=「ガムランに合わせて4人で踊るジャワの踊り」の意)とか、 「クレタ・クンチャナ」(Kereta Kencana=「黄金の馬車」「儀式用馬車」の意)。クレタ・クンチャナ、これ、一番高級です。ロール35メートルぐらいで、ピースで売ってるんですけど、多分、(値段が他の)倍近くしますね。クレタ・クンチャナっていうのは、ものすごい高級品ですね。
手描きバティックは、結局、こういう物を2.5メートルとかいう長さに切って、クテル(ketel)って、さっき言った下処理を何回も何回も繰り返してから、初めて線を描く、という感じになります。
このほかにも、手描きバティックには、絹であったりとか、化繊であったりとか、いろんな物を使います。(つづく→【賀集さんのバティック入門講座】(7))