[賀集さんのバティック入門講座](6)最高級生地はクレタ・クンチャナ

[賀集さんのバティック入門講座](6)最高級生地はクレタ・クンチャナ

手描きバティックに使う生地は木綿が中心ですブランドも等級もいろいろあります。(写真と写真説明・池田華子)

 さっき、ガンバール(Gambar)、つまりデザインの話をしました。デザイン画っていうのは、紙に描いたりするんですが、これは「アルシップ」(Arsip)というか、保存用。うち(の工房)、蝋で布に描いちゃってたんで。こういう状態です。これをトレースします。

スタジオ・パチェの下絵
スタジオ・パチェの下絵(原画)

 こういうデザインが元々あれば、もういきなりトレースから入るけど、例えば、注文して、新たに柄を起こしたりする場合は、そこにも工賃っていうか料金が発生します。まぁ、ケースバイケースでね、すごい、いろいろなんで、「こうだ」とは言えないんですけども。

 あと、これは、ちょっと繰り返しになります。すみません、あっちこっち行っちゃって。

賀集さんのセミナー「バティックの生地」

 さっき「プリミシマ」で説明しましたけど、これが見本ですね。これ、プリミシマ。

 「GKBI」(Gabungan Koperasi Batik Indonesia=インドネシア・バティック協同組合)グループ、って言って、インドネシアのいろいろな地域で織物とかを作っています。プカロンガンのすぐそばなんですけど、中部ジャワのバタン(Batang、県)という町に大きな工場があって、そこで織ってます。

 これはえっとね、「チャップ・ティガ・ブンデラ」(Cap Tiga Bendera=「3つの旗」という意味)って言って、商標ですね、「チャップ・ティガ・ブンデラ」っていうのは。そのほかにも、これは多分そうだと思うんですけど「ガムラン・スリンピ」(Gamelan Serimpi=「ガムランに合わせて4人で踊るジャワの踊り」の意)とか、 「クレタ・クンチャナ」(Kereta Kencana=「黄金の馬車」「儀式用馬車」の意)。クレタ・クンチャナ、これ、一番高級です。ロール35メートルぐらいで、ピースで売ってるんですけど、多分、(値段が他の)倍近くしますね。クレタ・クンチャナっていうのは、ものすごい高級品ですね。

 手描きバティックは、結局、こういう物を2.5メートルとかいう長さに切って、クテル(ketel)って、さっき言った下処理を何回も何回も繰り返してから、初めて線を描く、という感じになります。

 このほかにも、手描きバティックには、絹であったりとか、化繊であったりとか、いろんな物を使います。(つづく→【賀集さんのバティック入門講座】(7)

プカロンガンの生地店
賀集さんとプカロンガンを旅行した時に、立ち寄った生地店。巻かれた生地が倉庫に積み上げられていた

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