「チレボン銀河鉄道」は、ネパールの手漉き紙ロクタに樹脂凸版印刷し、インクが乾くのを待っている(【バティック豆本を作る】 (2)紙に印刷する)。その間に父が、「バティック豆本」のアイデアいろいろを「ペン子ちゃん手帳」に書き留めて送ってくれた。
案その1。表紙はロクタ紙に布を貼り、中味は賀集由美子さんの制作したバティック布数枚を綴じた「布見本帳」。タイトルは「賀集由美子作品集」。
案その2。表紙だけバティック布を貼り、本文は写真と説明文で構成する「バティックの本」。
案その3。制作中の「チレボン銀河鉄道」と同じスタイルで、賀集さんのバティック布を使った巻物。本文には、バティック布の全体写真と部分写真、そして説明文を入れる。
どれもとても面白いアイデアだ。賀集さんの作品や業績、またはバティックの素晴らしさがこんな形で紹介できるかも、と考えると、わくわくする。
「チレボン銀河鉄道」は想像をはるかに超えた豪華本になり、「ここまでするんだったら、中味をもっと違う物にすれば良かった」と後悔した。しかし妹は「文章はとても面白いし、明るい話で、賀集さんを直接知らない私でも読めて、ジンと来る良い文章。図書館の棚に並んだまま開かれない古典本ではなくて、愛され本や、大切本という範疇があり、むしろここに入った方がずっと楽しい」と言ってくれた。
次に作るとしたら、何だろうか。「バティック豆本を作る(1)スタート」でも書いたように、共に手元でじっくり見て楽しむ豆本とバティックは相性が良いと思う。バティックを愛する、または豆本を愛する新しいスタイルとして、「バティック豆本」が生まれたらいいな、と願っている。賀集さんがおられたら、きっと面白がって、「豆本用の特製バティック」を制作してくれたように思う。(つづく)