「チレボン銀河鉄道」豆本を制作してくれた、豆本作家の赤井都さん(私の妹です)と私の父が、チャップ(型押し)バティックを使って眼鏡ケースを作りました。これが素晴らしい出来なので、ご紹介します。(写真は赤井都さんのインスタグラムから)
使ったバティックは、賀集由美子さんのオリジナル・デザインのチャップ「ねことコーヒー」柄。コーヒー豆、ミル、ねこの絵付きのポット、コーヒーカップなど、コーヒーにまつわるモチーフがきれいに収められている。バティックの色は、すっきりした紺白。
眼鏡はデンマーク製リンドバーグ。長年使っているうちにケースが傷んできたので、作り直し。元のケースを型紙にして、ギリギリの長さまで小さくし、新しい素材を切り出した。厚さ1ミリの白ボール紙を芯材にして、あらかじめ紙で裏打ちしてからバティックを貼った。こうして出来たのは、すっきりした柄の、おしゃれな眼鏡ケース。チャップ・バティックの良さが十全に活かされている。
手描きバティックは「一点物、手描きならでは」という素晴らしさがあるが、基本的には一枚の布を楽しむものだ。縁、クパラなど、いろんな模様の部分があって成り立っているので、服にするにしても小物にするにしても、どの部分をどのように使うか、なかなか難しかったりする。
その点、チャップ・バティックは、四角いチャップの連続模様。模様は均一の、いわば「ろうけつ染めのテキスタイル」。その均一感が「面白くない」とも受け取られるのだが、こういう小物には、その「テキスタイル感」が逆にぴったりだ。チャップならではのカチッとした揺らぎのなさが、「きちんとした製品」といった印象を与える。
妹と父の二人は、続いて、革表紙本(ノート)のケースも制作。これは、ケースの内側にバティックを貼り、表にバティックの模様を切り出して貼っている。これもまた、面白い使い方だ。こんな風に気軽に切ったり貼ったりできるのも、値段が安いチャップ・バティックならでは。
「チャップ・バティックは、切り取って、絵柄がどこに来ても、面白くていいよ。気にせんと切り取れる。高くないので助かる」と父。
いつも使う、身近な小物がバティック製、というのはいい。今度は「小物を作る」前提でチャップ・バティックを探してみようか。
赤井都の豆本 小さな本の楽しい休日
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