+62チレボン・バティック・ツアーで2026年3月にカトゥラ工房を訪ねた時、若い女の子たちが出来上がったバティック布を中庭に掛けていた。「職業訓練学校(SMK)の生徒たちで、これは実習で作ったバティック。購入できますよ」と工房の人に言われた。
仲の良さそうな女の子6人組で、自分たちのバティックをさりげなくアピールしつつ、座っておしゃべりしている。チレボン県の国立グヌンジャティ第一職業訓練学校の生徒という。同校で3年学び、カトゥラ工房での4カ月間の実習期間を終え、5月に卒業する予定だ。このバティックは下絵描きから蝋描き、染色まで、すべて自分たちの手で行った。在学中に作った4枚目の作品という。
チレボン伝統文様のメガムンドゥン、チレボンらしい割れ門、花や鳥や蝶などで構成され、伝統的ながらも若々しくて、かわいらしい。ちゃんと縁模様があったり「クパラ」があったり、バティック布として完成された形になっている。いやー、たいしたものだ。「作っている時は疲れたけど、完成したのを見るとうれしい」とエリンさん(18)。


値段は1枚60万ルピア。練習品と思えば高いが、多色染めの手描きバティックとしては安い。これは「応援」のために購入だ。6枚の中で、ピンクの色合いがかわいかった、エリンさんのバティックを選んだ。バティック・ツアー参加者の方たちも買われ、計3枚が売れた。

バティック産業は将来も続いていくのか、後継者はいるのか、とは、よくいわれる問題だ。そうした中で若い人たちの手になるバティックを見るとうれしい。ちなみにプカロガンのドゥドゥン工房でも、下絵描きをしている実習生たちを見た。
こんな風にバティック技術を習得した彼女たちがバティック職人になるか、というと、そんなことはないのだろう。しかし、技術を学んで作品を仕上げ、それが買われてお金になった、ということは記憶の中に残るといいなと思う。彼女たちもいつかバティック産業に戻って来るかもしれない。
蝋描きの線が太かったり、かすれていたり、蝋が割れていたりするけれど、このバティックにはそれ以上の価値がある。


「卒業制作」
エリンさん作
105cm x 213cm
2026年制作・購入