[バティック豆本を作る](5)仕上げ

[バティック豆本を作る](5)仕上げ

 巻いたりほどいたり、プレスしたり乾かしたりを繰り返しながら、いよいよ、仕上げの作業に入る。まずは、タイトルタグ。

 既製品でない方がいいと思い、活版印刷した時に外題も刷っておきました。定規を当てて四角く切ると既製品のようにも見えるので、手でしかできないことをはっきりと見せるために、曲線で切りました。こうすると「One and Only」だとはっきりするので、私はよく使う方法です。

 曲線の形は、バティックの模様に近い形で。敢えて、一つずつ違う曲線になるように、頭で形を誘導しすぎず、手の赴くままに、はさみを走らせました。

赤井都
曲線に切ったタイトルタグ
一つひとつ違う形で、曲線に切られたタイトルタグ(写真は全て赤井都さん提供)

 バティック模様「難破船」の一部のような、モチーフの一部が布の外へと出たようなタイトルタグが出来た。

 それから、巻物の軸を作る。

 丸い木の棒をノコギリで切って、ヤスリがけし、先を彫刻刀で堀り、アクリル絵の具(ゴールド、シルバー、薄紫、レモン色)でペイントしました。やはりバティックの模様を繰り返すような形でOne and Onlyに作ったものを芯にしました。私のイメージで、軸は天気輪の柱。

巻物の軸
巻物の軸が布の端に貼り付けられた

 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」で、重要な位置付けとなる「天気輪の柱」。天気輪の柱が立つ丘の上で、ジョバンニは銀河鉄道に乗る。

 「チレボン銀河鉄道」も、天気輪の柱を軸に、物語が始まる。(つづく

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