巻いたりほどいたり、プレスしたり乾かしたりを繰り返しながら、いよいよ、仕上げの作業に入る。まずは、タイトルタグ。
既製品でない方がいいと思い、活版印刷した時に外題も刷っておきました。定規を当てて四角く切ると既製品のようにも見えるので、手でしかできないことをはっきりと見せるために、曲線で切りました。こうすると「One and Only」だとはっきりするので、私はよく使う方法です。
曲線の形は、バティックの模様に近い形で。敢えて、一つずつ違う曲線になるように、頭で形を誘導しすぎず、手の赴くままに、はさみを走らせました。
赤井都
バティック模様「難破船」の一部のような、モチーフの一部が布の外へと出たようなタイトルタグが出来た。
それから、巻物の軸を作る。
丸い木の棒をノコギリで切って、ヤスリがけし、先を彫刻刀で堀り、アクリル絵の具(ゴールド、シルバー、薄紫、レモン色)でペイントしました。やはりバティックの模様を繰り返すような形でOne and Onlyに作ったものを芯にしました。私のイメージで、軸は天気輪の柱。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」で、重要な位置付けとなる「天気輪の柱」。天気輪の柱が立つ丘の上で、ジョバンニは銀河鉄道に乗る。
「チレボン銀河鉄道」も、天気輪の柱を軸に、物語が始まる。(つづく)