[フレディ物語](4)初めての病院

[フレディ物語](4)初めての病院

 朝が来た。子ねこがいる、というのがまだ信じられない気持ちだ。フレディは朝ごはんを食べてから元気に遊んでいたが、突然、部屋の隅で激しく鳴いた。普通ではない鳴き方で、あわてて駆け付けてみると、粗相をしていた。まだ赤ちゃんだし、初めての家だし、仕方がない。フレディがトイレを失敗したのは、この一回だけだ。

 そう、フレディは元気いっぱいで食欲も旺盛だったが、下痢をしていた。ワクチン接種もあるし、まずは病院だ。その日は夜まで仕事があったので、翌日に行くことにした。

 翌朝9時に車で出発した。ケージの中にごはんを入れると、中に入ってガツガツ食べていたが、戸を閉めると、びっくりするほど大きな声で鳴き続ける。それが、なんとも悲痛な声。おしっこもしてしまった。プトリがケージに入れて連れて来た時には大丈夫だったのに。

 なんとか車に乗せると、運転手のタウファンが「ケージの外に出してあげたら? トラウマになるといけない」と勧める。「車の中には隠れる場所もないし、安全だから」と言うので、外に出した(まねしないでください)。フレディは鳴きやみ、リラックスし始めた。窓の外を走る車やバイクを物珍しそうに、一心に眺めている。無事に、ジャカルタで一番良い病院といわれている「グルービー」(Groovy)に着いた。

 診察は二人がかり。助手が上手になでてあやしながらフレディを押さえていて、先生が診察する。検温、検便。フレディはおとなしく、じっとしていた。先生は口の中を見て、「歯が生えそろっているので、生後1〜2カ月でしょう。自分でエサを取れるので、もう自立する時期ですよ」と言う。ええっ、まだこんなに小さいのに? ねこは大変だなぁ。

 先生に「どんな状態ですか?」と聞かれ、「Semangat. Aktif. Tapi menceret」(元気です。ただ、下痢をしています)と伝えた。便検査の結果、コクシジウムという寄生虫と回虫がいた。

 コクシジウム症、回虫、下痢の薬3つとビタミン剤を出された。コクシジウム症(Isaspora)の薬(Sanprima)は1日2回x10日。下痢の薬(Conigest)は1日3回x下痢が止まるまで。回虫(cacing)の薬(Panacur)は1日1回x5日。この薬が最初の大きな試練になった。さらに、フレディはノミだらけだったので、しばらく「虫」との戦いが続くことになる。(つづく=「賀集さんとフレディ」

病院の帰り、疲れて膝の上で寝てしまった
病院の帰り、疲れて膝の上で寝てしまった

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