[ウミ物語](3)3匹の子ねこ
うちのねこの中でウミの子供だけ、誕生日がわかる。2021年9月8日だ。 その日の午前6時ごろ、まだ寝ていたミニさんをウミが呼びに来た。ミニさんの腿の上に乗って、激しく鳴く。朝の魚が欲しいのかと思ったら、違うようで、ベッドから動かない。そ […]
ねことバティック Cats and Batik
うちのねこの中でウミの子供だけ、誕生日がわかる。2021年9月8日だ。 その日の午前6時ごろ、まだ寝ていたミニさんをウミが呼びに来た。ミニさんの腿の上に乗って、激しく鳴く。朝の魚が欲しいのかと思ったら、違うようで、ベッドから動かない。そ […]
午前1時、ボールを転がす音がずっとしている。起き出して見に行くと、いくつかの軌道にボールが複数入っているおもちゃで、チビ甚五郎が遊んでいた。生まれて初めてのおもちゃなのだ。 また、ベッドで寝ていると、ねこが足に当たる。横に寝ているのは甚 […]
コロナ禍のまっただ中、2021年5月のある夜。日本へ帰国する友人が、スカルノハッタ空港に向かう途中で、うちのアパートにちょっとだけ立ち寄りたい、と言う。「部屋に上がる時間もなさそう、ロビーで会えないか」とのことだったので、ロビーへ降りて行 […]
<開催済み>「賀集由美子の見たインドネシア〜チレボンのバティック」展 インドネシア・ジャカルタでの「ペン子ちゃんトリビュート展」(2022年3月)、東京・タビビトの木での「旅するペン子ちゃんカフェ」(2023年5月)に続き、賀集由美子さん […]
2023年5月4日、チレボンのアリリ工房から、「チレボン銀河鉄道」のバティック・コースターが届いた。予想以上に素晴らしく、一枚ずつ見ていると、胸がいっぱいになってしまう。 アリさんも「色がうまくいった」と満足げ。濃紺、紺、グレーの3色。 […]
チレボンの街に入ると、車はホテルへ向かって走り始めるが、心は今でも、通い慣れた「ガン・ビドゥリ」(ビドゥリ通り)へと向かう。 「ガン」(Gang=路地)と言うだけあって、大通りから見ると、ちょっと心細いぐらいの細い道。入口には屋根付きの […]
チレボンの「パチェ工房」(スタジオ・パチェ)こと、賀集由美子さんの家兼工房の写真です。「賀集さんのいた風景」を記録として残しておきたいと考え、まとめてみました。チレボンの賀集さん宅を訪ねるつもりで見ていただけたらうれしいです。 201 […]
強い風が吹いて、葉っぱがざわざわ言う。雨が来る、っていうしるしだ。雨が降ってきた。バラバラ、雨の当たる音がする。雨が激しく降り始める。だけど僕は、のうのうと寝ている。ここは雨にも濡れないし、風も当たらない。僕は寝たまま、耳だけ立てて、雨の […]
「これ何の絵かわかりますか?」。賀集由美子さんと親しかった日本の陶芸作家、こまつか苗さんから送られて来た絵を見て、胸を突かれた。 「チレボン銀河鉄道」が日本の上空を通過している絵だ。身を乗り出してiPadで写真を撮っているペン子ちゃん( […]
僕は「みっどぷらざ」と呼ばれているビルの辺りで生まれた。地面と木が少し。あとは硬いコンクリート。大きい人間と車が、明け方から夜遅くまで、ひっきりなしに通っている。しんとするのは夜中だけ。 僕を産んでくれたお母さんやきょうだいたちと一緒で […]
渋滞で遅くなって帰宅すると、ねこシッターのミニさんが、ちょっと深刻な、微妙な表情をして出て来た。「子ねこを拾ってしまった」と言う。えーーーっ!! 自分の部屋に連れ帰っていたねこを見ると、本当に小さい。こんなに小さくて大丈夫か、と不安にな […]
2022年7月19日の夜。腕を組んでじっとテレビを見ていた、中央ジャカルタ在住のネコさん。しかし、その目はテレビを見ていなかった。妻のニコさんに「やっぱり、連れて来るわ」と言うなり、大きい鞄を持って外へ出て行った。 一緒にジャカルタへ来 […]
フレディがうちに来て2カ月ほど経ったころ、賀集由美子さんがチレボンから来訪した。正確に言うと、私がチレボンへ行って一泊し、二人で一緒に戻って来たのだ。フレディは興奮して、激しい勢いで駆け回る。危ないぐらいのハイテンションで、手を付けられな […]
朝が来た。子ねこがいる、というのがまだ信じられない気持ちだ。フレディは朝ごはんを食べてから元気に遊んでいたが、突然、部屋の隅で激しく鳴いた。普通ではない鳴き方で、あわてて駆け付けてみると、粗相をしていた。まだ赤ちゃんだし、初めての家だし、 […]
水曜はコロッケパーティーの日。約束の午後4時を目指して、コロッケが揚がり始める。そのころ、ケージに入れられたフレディはプトリの車に乗って、5日間過ごした家を出発した。ケージの中で、大きいごはん皿を抱えるようにして、懸命にごはんを食べている […]
水曜のコロッケパーティーまでの間に、プトリから2本の動画が来た。最初の動画はわずか4秒。拾われた日に撮られた物で、これが動いている子ねこを見た最初だった。段ボール箱の中から庭の様子をうかがっている黒い子ねこ。「ハロー、チュッチュッチュッ( […]
始まりは、2月のある土曜日。インドネシア人の親友のプトリから、WA(ホワッツアップ)がポン、ポン、ポン、と来た。 Hanako sanMau kucing kecil?Untuk di apartemen?はなこさん子ねこいる?アパートで […]
「チレボン銀河鉄道」は賀集由美子さんと夫のコマールさんを送る気持ちで書いた、宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」のオマージュです。解説(補遺)を少しだけ。 「ユミコさん、待たせてごめんね。一生懸命に走って、ようやく追い付いた」 賀集由美子さんが20 […]
1999年からインドネシア・ジャカルタに在住している記者・編集者です。 2019年からねこを飼い始め、今は5匹のねこがいます。家族になってくれたねこたちから、いろいろなことを学ぶ日々です。 バティックの素晴らしさを私に教えてくれたのは […]